社長のための失敗学畑村洋太郎編著 日本実業出版社発行 2002年4月20日
「はじめに」より
人は誰でも失敗する。そして、その失敗を学ぶことによって成長し、
進歩し、強くなる。
目次より
プロローグ
経営者の失敗の原因を分類する(畑村洋太郎)
1章 未熟さゆえの蹉跌
2章 企画検討の杜撰さがアダに
3章 「こんなはずではなかったのに」という事態が出現して・・・
4章 失敗はすべて社長のせいである
5章 未知との遭遇
少し長い「あとがき」
『社長のための失敗学』について(畑村洋太郎)
「プロローグ」より
失敗には種類がある
1、無知
2、不注意
3、手順の不順守
4、誤判断
5、調査・検討の不足
6、制約条件の変化
7、企画不足
8、価値観不良
9、組織運営不良
10、未知
失敗には軽重がある
失敗の原因を10種類に大別したが、最後の「未知」を別にして、後の分類になるほど高度な失敗といえる。
平社員のする失敗と経営トップ層のする失敗とは質が異なる。
「あとがき」より
社長はサラリーマンとは「立場が違う」
すべて自分の責任で全体を束ねていかねばならない。そのぜんたいというのも、社内の従業員だけにとどまらず、顧客や、取引先や銀行や、その他多くの利害関係者が存在する。そういう立場は、サラリーマンが想像する以上に大変で孤独なものである。
しかも、経営者には企業をさせるという使命がある。企業の命運を保持することは実に困難なことで、会社を起業するよりも難しいことだといわれている。
本書は、社長の失敗の一人称による体験談と、私の分析という構成になっている。「自分だったら、どうする」などと深く考えることができ、失敗の体験が心の奥深いところにまで入っていきやすい、と考えたのである。
知識化においてとくに重要なことは、人間の頭の中にある「言葉になっていない知識」を、どう皆で活用できるようにするか、ということである。これを「暗黙知の顕在化」という。
そこで大切なのが「仮想演習」である。
ある節目では、選択肢はいくつもある。山登りのリーダーは、頭の中で仮想演習して、あらゆる可能性について吟味しなくてはいけない。
仮想演習なしで、安易な選択をして、右の道(図による)を選ぶようなリーダーは、一度や二度の節目では失敗しなくとも、いずれ崖から落ちてしまうのである。
そうならないように、すべての節目で、仮想演習をやる。しかも、自分で考え、決断する。「誰かがこう言ったから」というのではなく、自分の責任で「この道を行く」と決めるのが本当の社長というものである。
仮に、仮想演習なしで安易な選択をしていた社長が、途中で選択を誤ったことに気づいたとする。しかし、その場合には、正しい到達点に至る図の左のルートに戻るためには、険しい尾根を越えなければならない。そして、その決断がなかなかできないために、ずるずると歩き続け、ついには破滅に至る。だからこそ、最初の節目での仮想演習が大切なのである。
外から見る視点が大切だ
そうした認識がすでに一般的になっていることは、多くの会社で相談役や社外重役、あるいはその種のポストはないにしても“口出し係”というべきか、「水戸黄門」的存在を置いていることでわかる。
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